子育て

鉄欠乏症と診断! 赤ちゃんの貧血について考えて、行動して、改善しました

生後5ヶ月から特に鉄を意識した補完食を行ってきました。

生後6ヶ月と2週に、ヘモグロビンを測定する機会があったので測定してもらったところ、鉄欠乏症を示す数値が出ました。

赤ちゃんの貧血について、調べて、考えて、行動して、改善することが出来たので、調べたことと、体験談を合わせて記事にしていきたいと思います。

長い記事になりますが、少しでも参考になれば幸いです。

親子ヘモグロビン測定について

こちらの本

細川モモ
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などを執筆している細川モモさんのインスタグラムに、このような募集がありました。

 

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聖路加国際病院との共同研究で、採血なしでヘモグロビンを測定できる!しかも無料

生後5ヶ月から補完食を始め、鉄を補完することを第一に頑張ってきたつもりだった私は、

息子のヘモグロビン値がどれくらいなのか、とても気になっていました。

普通、ヘモグロビン値を測定するとなると、血液検査をしなくてはいけないのですが、

採血なしで、指先のクリップだけでヘモグロビンが測定できるとのこと。

それなら、息子に痛い思いをさせることもないので良いなと思い、測定会に行くことにしました。

 

もしも、ヘモグロビン値が低く、貧血であれば早期発見・早期治療に取り組めるし、

ヘモグロビン値が高ければ、今の補完食のまま頑張ればいいのだという自信になるし、

と、どちらに転んでも結果を知ることで、今後に生かすことができると思い、申し込みをしました。

 

親子ヘモグロビン測定会 当日のこと

事前にWebでのアンケートを回答し、当日も簡単なアンケートに回答しました。

いよいよ、ヘモグロビン測定をしてもらいます。

測定の機械はパルスオキシメーターのようなものでした。

出産時に手や足の指につけた方も多いのではないでしょうか?

 

クリップのようなもので指を挟むことで、ヘモグロビン測定ができました。

こちらの投稿のイメージ通りです。

 

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アメリカのマシモ社が開発した非侵襲型(採血不要)のヘモグロビン測定器を使用しているそうです。

息子は大人しかったので、手指で測定できましたが、足指でも測定できるそうです。

測定は痛くないので、息子は泣くことも、暴れることもなく、じーっと機械を眺めている間に測定が完了しました。

測定にかかった時間は1分ほどでした。

合計2回、測定してもらいました。

1回目の結果  10.0g
2回目の結果  10.3g

いただいたパンフレットの記録欄には中間値である「10.15g」と記載されました。

今回は親子の測定会のため、私もヘモグロビンを測定していただきました。

違和感も痛みも一切なく、指先であっと言う間に測定が完了しました。

私の数値は14gと15gだったため、中間値の14.5gが記録されました。

0歳児はヘモグロビン値11mg以下が貧血と診断されるため息子は診断基準にひっかかり

私は12g~16gの中で高めのヘモグロビン値のため、診断基準にひっかかりませんでした。これは産後もたんぱくリッチ食を実践しているおかげだと思います。

問題なのは、鉄分対策の補完食をしてきたのに、貧血だった息子です!

 

貧血になりやすい赤ちゃんとは?

いただいたパンフレットには、このような特徴が挙げられていました。

見づらいと思うので書き出すと、

ベビーの貧血リスクを高めるもの
  • 低出生体重児
  • ママの貧血
  • 早産
  • 離乳食の内容
  • 小食

ということですが、私と息子の場合はいずれも当てはまりません。

 

こちらの論文にリスクとして挙げられているものとして、

ベビーの貧血リスクを高めるもの
  • 母乳栄養児
  • 低出生体重児
  • 周産期に失血がある
  • 早期から牛乳を摂取している
  • 鉄分の少ないもしくは強化されていない離乳食を摂取している
  • 母体の鉄欠乏
  • 母体妊娠合併症(妊娠糖尿病、子宮内発育遅滞、母体の喫煙、母体の肥満、子宮内感染症など)

私の場合、「母乳栄養児」という点と、「母体妊娠合併症(妊娠糖尿病)」という点がリスクに当てはまります。

 

この中のリスクに当てはまる点が1つでもある方は、赤ちゃんの鉄欠乏性貧血のリスクがあるということになるため、貧血の予防をしていく必要があると思います。

 

えだまめ
えだまめ
全くリスクに当てはまらなかった人も、生後9か月からは貧血の赤ちゃんが多いので、鉄は必ず意識した方が良いと思います。

 

貧血はどのような問題があるのか

こちらのHPが今回の測定会を催していた細川モモさんと聖路加国際病院が行っていたクラウドファンディングのサイトです。

ヘモグロビンが測定できる機械を導入して、子どもの貧血の早期発見・早期治療を行うことを目的にクラウドファンディングをされていました。

見事にクラウドファンディングを達成されたので、このページもそのうち消えてしまうかもしれないので、クラウドファンディングのページから貧血に関係する箇所を引用させていただこうと思います。

引用:赤ちゃんは離乳時期に貧血リスクが高まります

お母さんの貧血は赤ちゃんにも影響を与えます。

お腹の中の赤ちゃんは、妊娠後期にお母さんから鉄分をもらうため、早産やお母さんが貧血の場合は十分に鉄分をもらうことができず、生まれたときから貧血のリスクが高くなります。

出生後、お母さんからもらった鉄分でやりくりできるのは生後6ヶ月間ほどで、それ以降、赤ちゃんの貧血のリスクはぐっと高まります(下記グラフ参照)。※2

このように、出生体重や出生週が問題なくとも、その後の離乳食の食べ具合や鉄分の量により、貧血リスクは高まり続けてしまいます。

わたしたちのプレ調査でも約4割の幼児が貧血のリスクが高いことが分かっています。

2)Jareen K. Meinzen-Derr, M. Lourdes Guerrero, Mekibib Altaye, Hilda Ortega-Gallegos, Guillermo M. Ruiz-Palacios, and Ardythe L. Morrow, Risk of Infant Anemia Is Associated with Exclusive Breast-Feeding and Maternal Anemia in a Mexican Cohort, J. Nutr. 136: 452–458, 2006.

引用:赤ちゃんの貧血にはどんな問題があるの?

あまり知られていませんが、赤ちゃんにとって鉄は脳を育む大事な栄養素です。

赤ちゃんの鉄欠乏は、長期的に発育・発達に悪影響を与えることが明らかになっています。

乳幼児期の鉄欠乏は、体重増加不良、身長の伸びの障害といった目に見える問題だけでなく、脳の海馬などの機能に影響を与え、運動能力/認知能力/精神面の発達に幅広く影響することがわかっています※3。

乳幼児期の鉄欠乏により認知スコアが低いこどもはその後に鉄が補充されても、成人まで影響が持続するといわれており、乳幼児期の鉄欠乏は成長した後では取り戻せないことが分かっています※4。

3)Lozoff B, et al : Dose-response relationships between iron deficiency with or without anemia and infant social- emotional behavior. J Pediatr 152 : 696―702, 2008. / Bruner AB, et al : Randomised study of cognitive effects of iron supplementation iron-anemic iron-deficient ado- lescent girls. The Lancet 348 : 992―996, 1996. / Halterman JS, et al : Iron deficiency and cognitive achievement among school-aged children and adoles- cents in the United States. Pediatrics 107 : 1381―1386, 2001.
4)Beard JL:Why iron deficiency is important in infant development? J Nutr 138:
2534‐2536,2008

引用:貧血予防の必要性

OECD加盟国の中で日本は赤ちゃんの貧血リスクを高める低出生体重児がもっとも多く、その要因となる母体の痩せ・低栄養が次世代に与える影響を看過することはできません。

鉄不足・鉄欠乏の赤ちゃんが増えることは、発育・発達上の悩みを抱える親もそれだけ増えることが予測されます。

重要なのは、発達の遅れを取り戻せる可能性がある、乳幼児期のできるだけ早い時期に介入を行うこと、特に0~2歳までに貧血の検査を行うことです。

2歳までに栄養状態が改善した男性では、賃金が46%増加したという研究報告があり、この時期の栄養状態は健康だけでなく、生涯所得にも大きな影響を及ぼすことが明らかになっています※5。

こうした理由から、アメリカの小児科学会は、1歳の時に鉄欠乏性貧血の検査としてヘモグロビン濃度の測定と鉄欠乏のリスク要因評価を行うことを推奨しています。

しかしながら、残念なことに日本では赤ちゃんの貧血スクリーニングは行われていません落ち着いて採血が難しい小さい赤ちゃんへの採血は倫理的なハードルがあるためです。

5)Martorell, R, et al. (2010). The Nutrition Intervention Improved Adult Human Capital and Economic Productivity. Journal of Nutrition, 140(2), 411–414.

えだまめ
えだまめ
そのため、採血が不要なヘモグロビン測定ができるマシモ社の機械を普及させたいと活動しているのが、細川モモさんと聖路加国際病院のチームです。

 

 

ここからは、ほかの文献も交えて「鉄欠乏」についてまとめていこうと思います。

 

乳児期の鉄欠乏について

私と同じく、赤ちゃんが鉄欠乏性貧血と診断されて、

このブログに行きついた方のために、参考になった論文を紹介したいと思います。

「乳児期の鉄欠乏についてー神経発達、神経症状を中心にー」という論文があります。

ぜひご一読いただければと思いますが、要約していきたいと思います。

アメリカでの鉄強化の取り組み

アメリカでは母乳栄養児の鉄欠乏を懸念し、鉄を強化したベビーフードが市販されている。

とありますが、

私が取り入れているライスシリアルも、アメリカのGerberという企業の鉄を強化したベビーフードです。

詳しくはこちら↓

「ライスシリアル」についてまとめてみた 今回は「ライスシリアルを使った補完食」に焦点を当てて書こうと思います。 ライスシリアルって何?補完食って何?という方は...

 

米国小児学会では、母乳単独栄養の場合、生後6ヶ月の時点で鉄欠乏状態に陥っている可能性を考慮し、生後4ヶ月からルーチンに1mg/kg/日の鉄をシロップで補充することを推奨

完母なら、赤ちゃんの体重が6kgであれば1日6mgの鉄シロップを生後4ヶ月から毎日飲ませることを推奨しているのです。

アメリカの場合、完全母乳育児はこれほど鉄欠乏のリスクが高いと考えられていることに驚きました。私も完母だったことが鉄欠乏性貧血に影響しているのかなと思います。

米国小児学会では、1歳の時点で鉄欠乏性貧血のスクリーニングとしてヘモグロビン濃度の測定および鉄欠乏のリスクファクター評価(早産児、低出生体重児、母乳単独栄養など)を行うことを推奨している。

日本では1歳で採血する機会すらないのに、アメリカは進んでいますね。

鉄欠乏の影響

鉄欠乏の影響については、

  • 臆病な性格で新しいものへの関心が低いなど社会発達面の問題の原因になる
  • 言語理解の遅れ
  • 発語の遅れ
  • 知能低下
  • 処理速度の低下
  • 注意・運動・認知・行動面の機能低下
  • 睡眠覚醒リズムの乱れ
  • むずむず脚症候群
  • ADHD(発達障害)
  • 熱性けいれん
  • 憤怒けいれん

といったことが挙げられています。

 

 

これまでにまとめた「鉄欠乏(貧血)」のことから、ヘモグロビン値が10.15ℊだった息子のことで不安になったになった私は、翌日かかりつけの小児科に向かったのでした。

 

小児科で言われたこと

小児科には測定会でいただいた、ヘモグロビン値が書かれたパンフレットを持っていきました。

ヘモグロビン値を測定してもらったところ10.5mgで貧血の数値だったため、鉄剤を処方してほしいということを伝えました。

医師から返ってきた言葉は

小児科医
小児科医
お母さん、今の時期は身体が急成長するから、みんな貧血ですよ。

それが普通だから、心配することないですよ。

でした。

そして、ヘモグロビン測定会のことをディスられ、そのせいで患者が殺到しちゃうよ〜。今日これから増えるかなー?なんてことも言われてしまい、凹みました……。

私
息子には生後5ヶ月から、鉄を1日5mgは摂取できるように離乳食を進めてきました。

それなのに、貧血の数値が出て、貧血による影響を調べたら不安になって、鉄剤がもらえたらと来たのですが、難しいでしょうか?

とっても不安なんです。

と不安だったので食い下がりませんでした。(厄介な患者だと思われたかなぁ……)

すると、

小児科医
小児科医
この数値は血液検査ではないから誤差があるかもしれないので、鉄剤の処方に踏み切れないですね。

お母さんが不安なら血液検査をしましょうか。

手の指から血液を採取しすぐに結果が分かる簡易的な検査と、腕から血液を採取し結果が1週間ほどかかる本格的な検査とどちらにしますか?

と聞かれたので

少しでも痛くない手の指からの採血を選びました。

そこで出てきたのは、妊娠糖尿病の時にお世話になった、手の指にパチンと針をさすあの機械でした。

写真中央に映っているピンクのペン型の機械です。

針を刺すぱちん!という軽い刺激では泣かなかった息子ですが、その後の血液を集める時に動けないのが嫌だったからか少し泣きました。

採血の結果が出るまでに、貧血の診断はヘモグロビン値だけではなく、ヘマトクリットや、MCVなどの値も見ることを伝えられました。

 

鉄欠乏性貧血の診断基準について

ヘモグロビン値だけではなく、他の値も見るそうですが、貧血と診断されるには

  • ヘモグロビン(g/dl)11.0ℊ以下
  • ヘマトクリット33%以下
  • 平均赤血球色素量(MCV)80 fl未満
  • 平均赤血球容積(MCH)27 pg未満
  • 平均赤血球Hb濃度(MCHC)31% 未満

といった値も参考にするとこちらの論文に書かれていました。

WHOはヘモグロビン値とヘマトクリット値を参考にするよう述べているそうです。(参考はこちらの論文

 

血液検査の結果

血液検査の結果は、

ヘモグロビン(HGB)は13.1g/dlで、貧血とは言えませんでしたが、

MCVが71.9しかなく経過観察となりました。

医者からは

小児科医
小児科医
MCVは80以上欲しいところで、数値が60台だったら迷わず鉄剤を処方します。

71なので悩ましいのですが、今の時期は成長が著しく鉄分が不足する時期なので、1ヶ月経過観察させてください。

鉄剤には副作用もあります。7ヶ月健診で数値を見て判断しましょう。

と言われました。

鉄剤の副作用には

悪心 、 嘔吐 、 上腹部不快感 、 胃痛 、 腹痛 、 下痢 、 食欲不振 、 便秘 、 胸やけ 、 発疹

などがあるそうです。

上記に書いた貧血の診断基準と照らし合わせて考えてみると

  • ヘモグロビン(g/dl)11.0ℊ以下 →13.1なのでセーフ
  • ヘマトクリット33%以下 → 34.8%なのでセーフ
  • 平均赤血球色素量(MCV)80 fl未満 → 71.9FLなので該当
  • 平均赤血球容積(MCH)27 pg未満 → 27.1なのでセーフ
  • 平均赤血球Hb濃度(MCHC)31% 未満 → 37.6なのでセーフ

医師が指摘したように、MCVの数値が基準を下回っています。

しかし、他の値に関してもギリギリ回避しただけ、という低い数値なので、やはり貧血気味のようです。

 

鉄欠乏の状態が3ヶ月以上続くと良くないのに、7ヶ月健診の時に悪化していたら大丈夫なのか?と不安になり、色々と調べることにしました。

 

鉄欠乏性貧血の種類について

ヘモグロビン測定会でいただいたパンフレットによると、

貧血とは、血液中のヘモグロビンが減少し、

体内の各所が酸欠に陥りやすい状態です。

  • 貧血には種類があります
  • ヘモグロビンに問題がなくとも、貯蔵鉄(フェリチン)が減少している「隠れ貧血」があります。

鉄欠乏性貧血について(貧血には種類があります)

この表(外来小児科学会子どもの健康リーフレットNo.18 2002.8)から

  1. 正常
  2. 潜在性鉄欠乏症
  3. 鉄欠乏症
  4. 鉄欠乏性貧血 軽度~中等度
  5. 鉄欠乏性貧血 高度

と分類されることがわかります。

この表に当てはめて考えると、息子の血液検査結果を考えると鉄欠乏症であることが言えることが分かりました。

Hbは財布の中のお金に例えられており、フェリチンは定期預金に例えられている。
財布の中にお金があっても定期預金が減少している状態を【潜在性鉄欠乏症】定期預金が枯渇している状態を【鉄欠乏症】としている。
財布の中にお金があっても定期預金が十分回復するまで、鉄剤が必要である。

参考:当院における乳幼児の貧血の検討

とあるので、鉄欠乏症は鉄剤の処方をされてもおかしくない状態のようです。

えだまめ
えだまめ
かかりつけ医がここの小児科であれば絶対に鉄剤を処方してもらえたのに!!もどかしいなぁ……。という気持ちになりました。

 

 

 

鉄欠乏症とは

鉄欠乏症とは、

  • 鉄欠乏性貧血皮膚蒼白
  • 青色強膜
  • 易刺激性
  • 多動
  • 異食症
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 頻脈
  • 収縮期心雑音
  • 成長障害      などの症状が出る。

こちらの論文に書かれていました。

 

えだまめ
えだまめ
貧血ではないからセーフ?と思いましたが、鉄欠乏症の時点でアウトですね。対策を取らなくてはいけません。

 

鉄欠乏性貧血は鉄欠乏の「成れの果て」であると認識し、貧血に至るまでに神経発達への悪影響など気づきにくい病態を未然に防ぐこと、つまり、鉄欠乏症に陥らせないことが重要である。

こちらの論文に書かれていました。

陥ってしまったからにはなるべく早く鉄欠乏症から脱却しなくてはいけません。

 

 

Hb10.5g/dL以下が3か月以上継続すると精神・運動発達の阻害が

赤ちゃんの鉄欠乏はそれが貧血にならない程度のものでも、神経伝達物質の生成が阻害されて、脳細胞の機能低下がもたらされ、鉄欠乏が3か月以上続くと、精神運動発達遅滞にいたる可能性があることが明らかになった。

Hb濃度10.5g/dL以下が3ヶ月以上続くと精神および運動発達が阻害されることも念頭に入れるべきである。

こちらのHPに記載がありました。

上記で「なるべく早く鉄欠乏症から脱却しなくては」と書きましたが、3ヵ月以上続くと精神発達にも、運動発達にも影響が出てしまうのです。

生後6カ月の時点でフェリチンは枯渇してしまうことを考慮すると、生後8ヵ月までには鉄欠乏症の状態から脱却していることが必要かなと私は感じました。

 

えだまめ
えだまめ
次の7カ月健診までに何とか鉄欠乏症の状態から脱却していたい……!と強く思いました。

 

 

鉄分量の基準はどうなっている?

1日に必要な鉄分量について

日本人の食事摂取基準では、鉄の 6-11ヶ月の目安を

  • 推定平均必要量…… 3.5㎎/日
  • 推奨量 ……5.0㎎(男児の場合5.0mg、女児は4.5mg)

と定めているそうです。(引用:母子栄養協会より)

私はこの推奨量の5mgを満たすことを意識しており、

息子は1日5mgの推奨量を間違いなく摂取していたのに、貧血気味と診断されました。(正しくは鉄欠乏症)

日本の基準の根拠と、世界の基準について気になったので調べてみました。

 

 

日本の推奨量は不確定要素の積み重ね

厚生労働省によると日本の計算式は

ヘモグロビン中の鉄蓄積量(mg/日)
=体重増加量(kg/年)×体重1kg 当たり血液量[70 mL/kg 体重]
×ヘモグロビン濃度[0. 12 g/mL]×ヘモグロビン中鉄濃度[3. 39 mg/g]÷365(日)

で計算されているそうです。

推定平均必要量は「吸収したい鉄(合計0.54㎎)」を吸収率で割ったものから求められています。
また、推奨量は、推定平均必要量に推奨量算定係数 1.4を掛け合わせた数字(3.5×1.4=5.0)として計算されています。
つまり乳児における鉄の推奨量は不確定要素の積み重ねで算出されているのが現状です。

引用:母子栄養協会より

とのことです。

大事なことなのでもう一度書きますね。

乳児における鉄の推奨量は不確定要素の積み重ねで算出されているのが現状です。

とのことです。悪い言い方をすれば信用できる数値ではないのです……。

がっくりした私は他国についても調べてみました。

 

 

アメリカやヨーロッパの鉄分量について

  • 4ヶ月〜6ヶ月の摂取量は体重(kg)×1mg以上/1日
    (例えば、体重が7kgの場合は7mg以上/1日)
  • 未熟児および低出生体重児は 2~4 mg / kg
  • 7ヶ月〜12ヶ月の摂取量は11mg/1日

とアメリカ小児科学会と、ヨーロッパの栄養委員のガイドラインに書かれているそうです。(引用:工藤紀子医師より)

 

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厚生労働省の海外の鉄情報でも、1日11mgと書かれています。

ライスシリアルの表示は1日15mgとなっています。

計算方法は、以前のライスシリアルパッケージのIRON
Infants<1…45% Children1-4<60%
のChildren1-4<60%と、現在のライスシリアルパッケージその他項目がリンクすることから15gあたりの鉄分6.75mgは変わらないと仮定し、

6.75mgが45%であれば100%値は15mgとなります。

工藤紀子医師が「ライスシリアル1回で1日に必要な鉄分量の45%、2回で90%が取れる」とおっしゃっている数値の根拠にもなります。

離乳時期に鉄分が大切なことはWHOが提唱しており、どの国の赤ちゃんにも必要なことは間違いなく、世界から見たら日本は鉄分後退国であるということも分かりました。

海外スタンダードを意識する方が良いと私は判断し、貧血気味でも鉄剤を処方してもらえなかったため、アメリカ流の1日15mgの鉄を食事から摂取することを目標にしました。

アメリカは上記で紹介したように、鉄剤の処方も4ヶ月から(早産児に関しては生後すぐから1歳にいたるまで毎日)行い、1歳で血液検査などで貧血のスクリーニングをしている先進的な国です。

そのため、日本の不確定要素の積み重ねの基準よりも信頼できると判断しました。

ライスシリアル15回を2回(合計13.5mg)と、鉄の豊富な食材を取り入れることで1日鉄15mgを目指しました。

しかし、ビタミンAや塩の過剰摂取はよくないように、鉄の過剰摂取もよくないの?と心配になりました。

 

鉄の過剰摂取について

厚生労働省の鉄の許許容上限摂取量では、

  • 生後0~6カ月は40mg
  • 生後7~12カ月は40mg

40mgが鉄の上限摂取量となっています。

 

鉄中毒はサプリメントなどの過剰摂取でおこるもので

幼児用の鉄添加チュアブルなどで鉄中毒になることはないと医学マニュアルにも書いてあります。(添加、サプリメント、医薬品の順に多く含まれています)

鉄中毒の第一段階は
下痢、吐血、腹痛、嘔吐などが見られます

引用:細川ももさんのインスタグラムより

医学マニュアルに、鉄添加チュアブルなどで鉄中毒になることはないと書いてあることから、ライスシリアルを使うことも、1日15mgの鉄を目標にすることも問題ないと考えました。

鉄分のあげすぎ(40mg以上の過剰摂取)になることは、離乳食をしていればとても難しいことが鉄を意識した補完食(離乳食)をしているとよく分かります。

鉄剤を処方以上に飲むなどはダメですが、食事からの鉄の取りすぎに関しては、心配しなくて大丈夫だと思います。

1ヶ月はうどんもパン粥もお粥もあげることをせず、ひたすら主食はライスシリアルのみで過ごして7ヶ月健診に行きました。

 

7ヶ月健診の貧血フォローに行きました

7ヶ月健診で貧血をフォローしてもらえると思っていたのですが、

鉄を意識した食事を頑張っていたことを伝えると

小児科医
小児科医
鉄を意識して取っていたのであれば、貧血が悪化していることはないでしょう。

血液検査は痛くて辛い思いを赤ちゃんにさせるので、やめましょう。

お母さん、気にしすぎちゃダメですよ。

この時期はみーーーんな貧血ですからね。

と言われました。

この時期はみーーんな貧血なのであれば、日本もアメリカのように鉄剤を処方したりすればいいのに!とモヤモヤしましたが、

なんだか神経質な母親だと思われている気がしたので、これ以上は何も言えませんでした……。

良くなっているかどうか不安ではあるものの、先生のおっしゃるように「悪化していることはない」と思えたので、血液検査のお願いもせず帰宅しました。

 

血液検査でフェリチン値も測定してもらった

その1週間後、息子に卵白を食べさせたところ口周りにじんましんのような発赤がポツポツ出ました。

これは卵アレルギーだろうと病院に向かいました。

小児科医
小児科医
卵アレルギーの可能性が高いので、採血をしましょう。

結果は1週間後に出ます。」

と言われたので、

私
フェリチン値も測っていただけませんか?

とお願いして、OKをいただけました。

えだまめ
えだまめ
7カ月健診でモヤモヤしてたけど、これでヘモグロビンもMCVも、知りたかったフェリチン値もわかる!!やったーーーーーーー!!!!

と内心歓喜していましたが、

採血で泣き叫ぶ我が子の声を、診察室の前で可哀想に思いながら聞き「アレルギーで採血をすることになったから、1週間前にモヤモヤしたけど採血をしなくて良かったな。」と思いました……。

 

1ヶ月以上ライスシリアルをあげ続けた血液検査の結果

1週間後、血液検査の結果を聞きに行きました。

卵白アレルギーはレベルの低いもので、現在は食べて治療をしているところです。

気になっていた貧血の数値は

ヘモグロビンも11mg以上の12mg
MCVも80fl以上の83fl、

フェリチンも、13ng以上の14mg

と、全部の数値がギリッギリですが、基準値内にすべて収まっていました!

えだまめ
えだまめ
やったー!1日15mgの鉄をあげつづけて良かった!!

 

ただ、フェリチンも低すぎるので、小児基準とされる30ng/ml以上を目指して、

3回食になるまではライスシリアルで鉄分補完をしていこうと思いました。

とりあえず「鉄欠乏状態が3ヶ月続く」と様々な悪影響が出てくるので、それだけは避けたい!と思っていましたが、ギリギリ回避できたと思います。

1日15mgの鉄を摂取して、この程度のギリギリの数値なのです。

正直、もっと増えているかと思いました。

日本の5mgという推奨量が、世界基準から見ても低かったのですが、息子の血液検査の改善値から考えてもやはり低すぎるのではないかと思いました。

 

 

ライスシリアル15gを2回食べていたら貧血は回避できる?

私のこのブログを読んでいて、貧血が不安になってしまった方もいるかもしれません。

不安にさせたくてこの記事を書いた訳ではなく、事実の体験談と、調べて分かったことのメモなだけなのです。

これだけは言えるなというのは、

赤ちゃんの貧血が不安な人は、

  • 離乳食は2回食で5ヶ月からスタート
  • ライスシリアルの量を6ヶ月で15g(粉が。完成量は60g)食べられるように、少しずつ増やしていく。
  • 6ヶ月・7ヶ月・8ヶ月のライスシリアルの量は15gを2回はあげること。
  • パンや粥やうどんはアレルギーチェック以外にはなるべく使わないこと。
  • 鉄の豊富な食材を意識して与えること。

これを3ヶ月(生後5ヶ月〜8ヶ月まで)続けたら、貧血は回避できると、息子の血液検査の数値から感じました。

鉄欠乏の状態が3ヵ月以上続くと悪影響を及ぼすわけですから、フェリチンが底をつく生後6ヵ月の前の生後5ヵ月から8ヵ月の4ヵ月の間、鉄をしっかり補えば鉄欠乏症にはならないのではないかと思います。

ちょっと難しいな〜。でも貧血は不安だな〜。という方は、ライスシリアル15g2回と鉄が豊富な食材を取ることを意識しておけばいいかなと思いました。

日本には鉄が強化されているベビーフードが少ないので、ライスシリアル以外で鉄を1日15mg補完するのはかなり難しいと思います。

なぜなら、赤ちゃんには食べられる量も限られているからです。

補完食の本を執筆している相川晴先生

補完食
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のこちらの動画が分かりやすいのですが、

赤ちゃんの胃の容量は体重×30mlしかないそうです。

少量で鉄分を補完できるものは、ライスシリアルのように鉄を強化してある食品ではないと難しいです。

私が鉄剤を処方してもらえなかったので食事だけで改善できるように頑張ろうと鉄分を意識して奮闘した日々の記事も、いつか記事にしていこうと思います。

 

感想

私と息子は相当運が良かったと思います。

鉄を補完するための離乳食を、離乳食開始時から続けていたこと。

インスタで親子のヘモグロビン測定会のことを知り、生後6ヶ月半のタイミングで計測できたこと。

ヘモグロビン測定会のパンフレットを持って受診したから、6ヶ月半で血液検査ができたこと。

卵アレルギーが判明したため7ヶ月半でも血液検査ができて、貧血の改善が見られたこと。

様々な情報を得ることができ、最善をつくせたと今は思えていること。

全てが運良く進んだから、貧血の早期発見と早期治療ができたと思います。

 

 

ヘモグロビン測定会で使用されたマシモ社の機械は、赤ちゃんに痛い思いをさせることなく、指先で気軽に測れる素晴らしい機械でした。

この機械が広まり、6ヶ月健診などに使用することで、鉄欠乏の早期発見・早期治療ができるのになと思いました。

日本もアメリカのように、鉄を強化したベビーフードの販売(特に主食)をしたり、鉄欠乏のリスクのある赤ちゃんに鉄剤処方を推奨するなど国を挙げて対策をしたら良いのにと思いました。

3ヶ月以上鉄欠乏の状態が続き赤ちゃんに悪影響が出ないようにすることで、日本という国はもっと良くなると思うし、しいてはお母さんたちの幸福度もあげるのです。

お母さんにおいても、産後の母親のうち4人に1人が貧血のリスクが高く、また3人に1人が隠れ貧血(貯蔵鉄の不足)であることもわかっているそうです。(参考文献はこちら

母にとっても、赤ちゃんにとっても「鉄」はとても大切な栄養素ですね。

赤ちゃんには離乳食ではなく「補完食」をあげることがとても大切になってくると思いますし、ママの私たちも食事やサプリ等で鉄を補給することを意識していくべきだと思います。

補完食についてはこちらにまとめたのでよろしければご覧ください。

補完食についてのまとめと、実践の記録 妊娠中に出会ったこちらの本 を読んでから、補完食(離乳食)のことを知り、調べ、自分なりに実践してきまし...

今回、貧血改善に大活躍したライスシリアルについてのまとめ

「ライスシリアル」についてまとめてみた 今回は「ライスシリアルを使った補完食」に焦点を当てて書こうと思います。 ライスシリアルって何?補完食って何?という方は...

離乳食のまとめも併せてどうぞ。

離乳食について調べてまとめてみました 生後4ヶ月を迎えるあたりから、離乳食のことについて考えるようになりました。 離乳食について何も分からなかったので、離乳食について勉...

 

細川モモさんのインスタグラムでは今回私が参加した「親子ヘモグロビン測定」の開催についても案内されているので、気になった方はぜひ参加してみてください。

それでは。